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まちなか留学の参加者ら=9日、沖縄県内、HelloWorld提供
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 貧困状態にある子どもの割合が全国的にみても高いとされる沖縄県。人気ラッパーAwich(エーウィッチ)さん(37)は、そんな故郷で育つ若者を案じてきた。アリーナや日本武道館など大舞台に立てるようになり、今年、私財を投じてその思いを形にした。生活が苦しい若者に、無料で外国人宅でホームステイを体験してもらうプロジェクトだ。

 Awichさんは那覇市出身。英語や日本語、ウチナーグチ(沖縄の言葉)をまぜて、自身の半生や社会への反骨心、女性としての思いなどを力強く歌う。そして、故郷への愛憎もこんなふうに表現してきた。

 「死ぬほど憧れたフェンスの向こう/大嫌いだったOkinawa is my home」「重くしがらむこの島のカルマ/潜(くぐ)り抜けて開く次のchapter」(Queendom)

 〈生まれたこの街は今も love&pain 渦巻く/光と影と雨と風をchamploo かき混ぜる/この美しさをいつかあなたにも見せたい/こだまするbeats どんな爆音にも負けない〉(TSUBASA feat. Yomi Jah)

 「沖縄にはお金や環境の制約から、やりたいことに出あえない人、何かを諦める人が多いはず。そんな若者を助けることにずっと興味があった」とAwichさん。

 今回のプロジェクトは8~9日に実施。高校生から22歳までの100人が、県内の外国人宅で「まちなか留学」を体験した。3人は8月に米国・アトランタへの留学(10日間)もする。生活保護や就学援助を受ける世帯などから募り、参加は無料。まちなか留学を手がける企業「HelloWorld」(沖縄市)が運営を担う。内容を充実させるため企業・団体の協賛も募集中という。

 英語は、Awichさんを新しい世界に誘った言葉だ。小4のころ、米軍基地内で韓国人女性に習い始めた。14歳で、米国の伝説的な黒人ラッパー2PAC(トゥパック、1971~96)の楽曲に出あった。2PACは黒人への差別や不正義がはびこる社会を批判。仲間に連帯を呼びかけていた。

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